生きることについて  ナジム・ヒクメットの詩



生きることは笑いごとではない

あなたは大真面目に生きなくてはならない

たとえば

生きること以外に何も求めないリスのように

生きることを自分の職業にしなくてはいけない



生きることは笑いごとではない

あなたはそれを大真面目にとらえなくてはならない



大真面目とは

生きることがいちばんリアルで美しいと分かっているくせに

他人のために死ねるくらいの

顔を見たことのない人のためにさえ死ねるくらいの

深い真面目さのことだ



真面目に生きるということはこういうことだ



たとえば人は七十歳になってもオリーブの苗を植える

しかもそれは子供たちのためでもない



つまりは死を恐れようが信じまいが

生きることの方が重大だからだ



この地球はやがて冷たくなる

星のひとつでしかも最も小さい星 地球

青いビロードの上に光輝く一粒の塵

それがつまり

われらの偉大なる星 地球だ



この地球はいつの日か冷たくなる

氷塊のようにではなく

ましてや死んだ雲のようにでもなく

クルミの殻のようにコロコロと転がるだろう

漆黒の宇宙空間へ



そのことをいま 嘆かなくてはならない

その悲しみをいま 感じなくてはいけない

あなたが「自分は生きた」と言うつもりなら

このくらい世界は愛されなくてはいけない



出所:


D




N^azim Hikmet

http://en.wikipedia.org/wiki/N%C3%A2z%C4%B1m_Hikmet



(今日もまだシンキ臭い感じ...いやだわ。わたしったら)