中国の長くて短い話(6)〜学生寮〜



当時の中国人の大学生は、

在学中は必ず校内の学生寮に宿泊しないといけないという規則だった。


私が留学していた時、自宅通勤をしていた中国人学生は1人しかしらない。

当時の副市長の息子といううわさの男子学生(且つ外車を乗りつけて

いつも固定の女の子(どこかの国の留学生)を助手席に乗せていた。)


女子寮の出入りは少し制限があったように記憶しているが、

男子寮は24時間自由に人が出入りできた。

金雷と陳陽は総勢10人の同屋と一緒にくらしていた。

14畳くらいの部屋に2段ベットが壁際に配置され

その間を小さな机が10個分。本棚とか洋服箪笥もないので、そういった個人の所有物は

すべてベットの中におくことになる。

荷物がみごとに少ない。

勉強するときは図書館や教室に行き、食事は食堂でする。



4年間同じ人たちと住むんだそうで、中国の人たちの

コミュニケーション能力の高さはこういうところで鍛えられていたんだと思う。


『彼女連れてきたりしてもいいの?』下種な私

『泊まっていくこともあるさ...って先輩が言ってた』かわいい金雷



天安門事件の後、

金雷は、アメリカで学者をしていたお父さんに呼び寄せられて

お母さんと妹と一緒に引っ越してしまった。

彼女を寮の部屋につれてくることもなかったんだろうな。


女子寮では医学部の男子大学院生がだれもいない部屋に侵入して

化粧をして女装をしていたという事件がおきて

男子はは入れなくなってしまった。

それも天安門事件の後のことだった。