主治医



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『あなたには主治医が4人います』

突然、私が主治医と思っていたその人は言い出した。


『ですので、これからの診察は、そのうちの誰かがすることとになります』


『へ?もうすぐ手術ですけど、それは先生がしてくれるんですか?』

と聞いてみた。


『それは前日にならないとわかりませんが、別の主治医が担当します』



手術だって、もともともっと早くしたかったのに

この先生のスケジュールがあわないということで、一度変更になっていた。

今通っている病院の乳腺外科の先生は3人いる。4人ってどういうこと?

なんで手術前に突然そんなことになるのだろう?

他の先生とは会ったこともないし、まして話したこともない。

いままでこの先生と話していた心の話などは無駄になるわけだな。



『全員がおなじように対応することができます。他の病院もおなじです』

『アメリカでは保険料が人によっていろいろ違ってきますしね...』

このひとは何を言っているんだろう。


今話している人は一応、この病院の外科のトップ。

いつものように、にこにこ丁寧に繰り返して話す。


なんだかわからないうちに診察終了。



“付け届け”を要求していたのか??

相手は刃物を持っているし、下手にケンかも売れない。


いやいや、そんなことあるはずがない




医療の現場には一般の人には理解できない

決まりごとがたくさんあって、患者ひとりひとりの事情は考慮されない。



日本医療現場で、真っ黒で不条理な出来事があるとしたら...


いやいや、そんなことあるはずがない


早い頃に数人に付け届けしたほうがいいよというアドバイスをもらったけど

こういうことだったんだろうか。



いやいや、そんなことあるはずがない


はやくこの複雑系世界から抜け出たい

それで、でたらもう戻らないと心に誓った。