中国の長くて短い話(15)〜昆明からバンコック〜
時々思い出すのだけれど、
それはとても強烈な体験だったので
今となっては現実と夢とが混在してしまっているかもしれない。
でも私一人だけの経験ではなかったので
きっと本当の出来事だったんだと思う。
『あの時のこと』を共有する人に確かめたけど
その人たちが今どこにいるかわからない。
留学時代の最初の夏休みに昆明→バンコック空路が開通した。
そんなニュースを目にした私たちは長い休みをタイ・サムイ島へいくことにした。
メンバーはいつも一緒に遊んでいた東欧チームの皆さん。
ロシア人のパスポートには中国しか出入りできませんと英語で明記されている
タイには入れるんだろうか。
当時はインターネットもないし、北京にはまだタイ大使館もなかったけれど、
彼らが絶対大丈夫といっているので
とりあえずみんなで昆明の空港までは行くことにした。
私たちには2ヶ月の自由という贅沢な時間があったので、
先が決まっていなくても大して問題ではなかったのだ。