中国の長くて短い話(13)〜列車で出会った人〜



モスクワまでの8日間の移動中

私以外にも一人日本人が乗っていた。

満州里から乗ってきた世界一周をめざす男子大学生

『人類みな兄弟』と大きな声で言う。


停車した駅のプラットフォームで

立ち話をする程度だったけど

モスクワに着いたら、出口で待っていてた。

顔は泣いている。

『持ち物全部とられた』という。

聞けば、到着の2日前に朝、起きたら、

持っていたバックパックが全部なくなっていたんだそうだ。


ロシア人乗務員の買収には抜群の効果のある中国産ウオッカ1本を

選別に渡して別れた。


私の旅はまだまだ続く