最終面接結果

“あなたは、先に任期付職員を受験されましたが、不合格と決定しましたので通知します。”

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面接の日、やっぱりTシャツを着ていった私は
市役所着いて誰もTシャツを着ていないことに気がついた。
(不採用の理由は、Tシャツではない)



面接会場に着くと、もう5人くらいのひとが待っていた。
けっこうみなさん自由な格好でほっとする。
正面のホワイトボードに『本日の注意事項』と『本日のスケジュール』が、
張り出されている。
文字が小さくて見えなかったので、席を離れて見に行った。
ついでに、外で子猫の鳴き声がしたので窓辺へいった。
(不採用の理由は、うろうろしていたからではない)




受験番号が呼ばれ、係りの人に連れて行かれたのは大きな会議室。
会議室の真ん中に椅子が置かれ、その前に3人座っている。


真っ白なスーツのおじいさん
ピンクのネクタイの禿げ上がったおじいさん
真っ黒に日焼けして金色の腕時計のおじいさん


ハンカチを握り締めてつたっている私。

『緊張しないで座ってください。』
先方は名乗らない。
(不採用の理由は、名乗らない人をキッとにらんだからではない)


『えーと、書いてもらった面接カードについて質問させてもらいますね』



『えーと、自己PRに...、癌患者ですが、元気にがんばる所存ですってありますが....
大丈夫ですか?』


『はい。おかげさまで元気です。』


『えーと、それからパート希望とありますが...』


『必要なときだけいてほしい役回りとかあれば。それが希望です』




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結果として不採用になったけど、募集要項にはないパートで雇ってくれと勇気(?)を
持って挑んだ癌患者のアプリカントとしておじいさんたちの記憶に残ったに違いない。
今回のイベントの枠のなかではつながれなかったけど
近い将来、別な機会でまた会いましょう。
セレンディピティを信じて。



serendipity
何かを探しているときに、探しているものとは別の価値あるものを見つける能力・才能。
偶然からモノを見つけだす能力。
語源は『The Three Princes of Serendip』という童話から。
Serendipはスリランカのこと。


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楽観的な人は早死にするらしい。ぎゃー
(出所:電車の吊り下げ広告に書いてあった記事)