中国の長くて短い話(4)〜金雷と上海〜



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清華大学は中国一広いキャンバスで

自転車がないと宿舎から校外にでるのに大変な広さだったけれど

宿舎のほかに銀行、郵便局、野菜市場なんかが点在していて

校外にでなくてもそこの住人たちは生活に困らないようにできていた。

老人ホームもあったし、総合病院もあった。



校内には庭園風のうつくしい公園や屋内外の運動場がたくさんあって

学生たちは勉強していない時間、

そういった運動施設で運動に取り組んでいた。


卓球する人

気功する人

バドミントンする人

ジョギングをする人

バスケする人

バレーボールする人

寒中水泳をする人

社交ダンスする人



私も宿舎から一番近い(といっても歩いて20分)屋外運動場に

通って、できもしないのに逆上がりの練習をしていた時期がある。

一体なんのために...?



そこには、本格的に体操種目を練習することができる、

吊り輪とかあん馬とか平行棒がおいてあり、

学生たちが熱心に練習している姿を見ることができた。

学生たちの華麗な姿(上記の写真は誇張ではないです)を

みているだけで楽しかった。


大体、同室の子と一緒に練習していたのだけど

ある日、その子が校外に買い物にいってしまったので

一人で逆上がりにいった時があった。


15メートル前方、平均棒でぐるぐる回って華麗に着地をした男子学生。

そのうち、その男子学生がこっちに向かってやってきた。

近くで見ると、まん丸な顔に四角い眼鏡をして愛嬌のある顔をしている。

なんだかんだと身振り手振りで交流してみると、

毎日逆上がりしているにも関わらず上達しない私をを見かねて

教えてくれるということらしかった。


その学生は金雷という物理学科の1年生で当時まだ16歳だった。

2年も飛び級して清華大学に入学してきたそうだった。



金雷はくるくると逆上がりを連続してやってみせ、

上海という名のタバコを出して吸った。


(つづく)