私の場合


正式に告知を受けた日の夜はさすがに
真夜中に見上げた天井の暗さと自分の将来を
重ねて考えて眠れなくなったりはしたけれど、
精神の危機のような状態にはなっていない。

「絶対、打ち勝ってやる」とかの敵対心があるわけでもなく

自分の身体の中でおきてしまった変化なので
なるだけ穏便にすませて、譲って共存、できれば穏便にお引取り
願いたいという感じ。

いやなことはすぐ忘れる、苦手なことには手をつけない、
そういったもともとの性格も幸いしているのかもしれない。

人生があと40年あるのか数年なのか。

日々進歩する先端医療のおかげで、がんになった人の生存期間は延びてきている。
それはとてもありがたいことだけど
同時にがんと向きあって生きる年月の長期化やストレスの長期化も意味する。

これから先が長いのか短いのか、
両極端のハザマで、
なんとかバランスを崩さないように日常をこなしていくかな。

子供は発達心理学的に悪いことを長い時間思い続けることはできないんだそうだ
(私はたぶんアダルトチャイルド)


写真はベルリン動物園にいたクヌート

参考;『がんからはじまる』岸本葉子